(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」004号 2005年06月28日 の再掲載です)
話し言葉ではひらがなの語を多く、書き言葉は漢字の語を多く登録すると、
入力がスピーディーになります。
話し言葉の入力といえば、録音された音声を聞いて打つ「テープ起こし」。
たとえばややフォーマルな口調のこんなフレーズがあるとします。40字のう
ち漢字は6字にすぎず、ひらがなの部分ばかりです(プラス、少々のカタカナ)。
私といたしましては、このセミナーは大変勉強になったというふうに感じ
るのであります。
一方、私が継続的に受注している仕事の一つに、セミナー会場で回収された
アンケートの入力というのがあります。「感想」欄にはこんな記述があります。
大変勉強になった。
たった8字。半分が漢字の言葉、半分がひらがな。
話すと書くではずいぶん違うものですね。
アンケートの感想は自分のことに決まっているので、「私といたしましては」
なんて書きません。会場で書いてすぐ出すものなので「このセミナーは」と書
く必要もない。「というふうに」「のであります」は、しゃべるとき語調を整
える役割なので、書くときはあまり出てきません。
ですから、話し言葉の入力では「といたしましては」「というふうに」
「のであります」など話し言葉特有の言い回しを登録すると、スピードアップ
につながります。
(会議や講演などフォーマルな話し言葉が多いか、くだけた口調を起こす
ことが多いかによっても違いますが)
書き言葉の入力では、とにかく漢字の言葉。
たとえば「大変勉強になった」は、見た目には漢字・かな半々ですが、実際は
「taihenbenkyouninatta」20タッチのうち12タッチと漢字部分が多いのですから。
私の仕事は話し言葉・書き言葉の入力が半々なので、とりあえず両方に出て
くる漢字の言葉から登録しています。
【たへ】【べk】になった。
「~性」「~的」の登録がわりと規則的にできるのに比べ、2字の漢字は登
録方法がどうしても不揃いになります。次回はその理由を取り上げます。
(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」005号 2005年07月07日 の再掲載です)
漢字2字の言葉に、どうしてこんなたくさんの登録法があるのか。法則を1つ
に統一すれば覚えやすいのに。
実際にやってみると理由はすぐわかります。
例えば一番覚えやすい 1)での登録。
けか→計画、経過、結果
「けか」になる語はもっとありますが、特にこの3つは何にでもよく出てき
ます。1センテンスに全部出てくることだってありそうです。
計画の経過を見ると、結果として~
2)にすると、kk→結局、関係、環境、計画、経過、結果 などと、よく
使う語はさらに増えます。
1読み=1語にするのが、単語登録の鉄則。たくさんの候補から選択していて
は、入力スピード&正確さが上がりません。
だから結局、いろいろな登録方法を駆使して分散させるしかないわけです。
一度に全部登録しても混乱するので、自分にとってよく使う語から登録し、
覚えたら次を登録していくといいでしょう。
同時に、登録しない語も決めて覚えます。私は「経過」は登録していません。
もともとkeikaは5タッチで、ローマ字入力としてはわりとタッチ数が少なく、
単語登録しても節約につながらないからです。
私の登録
けk→計画、けいか→経過(登録しない)、けか→結果
kk→結局、かk→関係、かんk→環境
「経過」は登録しないのに、1タッチの節約にすぎない「結果」は登録する。
次回はその理由を取り上げます。
本日の雑談
ロタンは使いこなせば便利ですが、当然覚えるのは面倒です。
自分に強制するしかありません。今週はこれを覚えるぞ!というのを紙に書
いてパソコンの横に貼っておきます。
うっかり普通に入力してしまったらわざわざ削除して、登録したほうの読み
で打ち直し。急ぎの仕事を入力しているときはその二度手間と自分の記憶力
のなさに怒り狂うので、とてもよく覚えます…。
(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」007号 2005年07月20日 の再掲載です)
1)毎日のように、かなり多い文字数を入力する。
2)カナ入力ではなく、ローマ字入力。
1)2)の両方に当てはまる人は、日本語変換システムとしてATOKがおすすめです。(私はMacをほとんど知らないので、Windowsユーザー限定のおすすめ)
また、カナ入力にATOKが適さないという意味ではなく、ローマ字入力はカナ入力よりタッチ数が多いので、能率的な変換辞書が「より切実に!」必要だという意味です。
入力講座の講師を担当していると、「ATOKは何がいいのか」という質問をよく受けます。えーと、「変換精度がMS-IMEより良いから」です。
そうでなかったらお金を出して買いませんよね。MS-IMEならWindowsに最初から無料でついてくるのですから。
それと、ATOKは「省入力機能があるから」です。
ちょっと省入力機能を使ってみますね。
「そうで」と入力してTabキーを押すと、「そうでなかったら」「そうでなかったらお金」が変換候補として表示される。
「しょ」Tabキーでは「省入力機能」「省入力」「昭和シェル石油」「昭和シェル」などが出てくる。
今、このメルマガのすぐ上の部分で入力した言葉や、きのうブログを書くとき使った言葉が、いろいろな区切りで出てきます。
このように、最近使った言葉を短い読みで呼び出せるのが、省入力機能。だから、出てくる語は人によって違いますし、私の「しょ」も、違う文書を入力したあとでは「硝酸塩」や「しょうがない」が出てくるかもしれないわけです。
しょうにゅうりょくきのう(syounyuuryokukinou)が、二度目の入力からは「しょ(syo)」で呼び出せるのですから、タッチ数は大幅に減ります。しかも省入力機能を使えば、わざわざ単語登録する必要がありません。
私は、「どんな入力にもよく出てくるベーシックな言葉」を単語登録し、「その文書の中ではよく出てくるが、ほかの入力にはあまり出てこない言葉」を省入力機能で呼び出しています。
●バージョンアップすると単語登録が不要になる
私のATOKはバージョン15で、資金の都合上16、17にはバージョンアップしなかったのですが、さすがに不自由になって先週ATOK2005を入れました。(新しい言葉が変換されない→いちいち単語登録が必要だった)
登録単語のデータを読み込ませずに、2005を確認してみました。
「看護師」「師長」(←以前なら婦長)が変換できるようになっていた。
「治験」「知財」「双日(日商岩井とニチメンが合併した会社)」「東スポ」などが変換できるようになっていた。
「しゅうかつ→就活」が変換できるようになっていた。
だけど「しゅうしゃ→就社」はまだ変換できなかった。
グーグルで「就社」は46万件もヒットするし、日本の就職活動(就活)の実態は「就社」活動だと思うんですけどね。
「御巣鷹」「御巣鷹の尾根」「御巣鷹山」が変換されない。日航ジャンボ機が墜落したところです。
「制震」がまだ出ない。「耐震」「免震」と並ぶ地震に強い建築技術の一つで、グーグルで13万ヒット、少ない数字ではないはずですが。
「変換されないので言葉通りの読みで登録していた言葉」を全部試してみたところ、「変換されるようになったので登録から抜いた言葉」が41件、依然変換されない言葉が23件という結果になりました。
※日本語変換システムは、何かの加減で変換状態が違う場合もあるようです。
というメルマガ記事を書いてから2年、私のATOKはまだバージョン2005のままです…。おかげで「ぼうえいしょう→防衛省」が変換できず、単語登録して使っています。2005年段階ではまだ「防衛庁」だったわけですね(今年1月に「省」に昇格)。
いくらなんでも、そろそろ新しいATOKにしよう。「制震」はもう変換できるようになったかな?