入力系の仕事を「データ入力系」「テープ起こし系」と大きく2つに分けると…。
と書いていつも思うのだが、テープ起こしに携わる人たちは「自分は入力者である」とか「入力系の仕事をしている」とは捉えていないかもしれない。
テープ起こしという仕事を分類すると?
・入力者(紙の原稿を入力する入力者)に近い
・文章を作るという点でライターに近い
・書類作成業として、むしろ事務職に近い
・「しゃべり言葉の文字化」として、要約筆記やテレビのテロップ作成などの仲間
・当然「速記」の仲間
テープ起こしは文章力がないと務まらないから、ライターと掛け持ちしている人は多い。また、社内の会議で記録を取ることなどは普通の会社員が普通にやっているから、事務職の延長という感じもする。要約筆記などは福祉系の仕事(専門ボランティア?)だが、テープ起こしに興味を持つ人は要約筆記にも興味を持つタイプなので、両方やっている人はわりといる。
録音機材が出現して以来、録音した音声から起こすという仕事が可能になったわけで、もともとは速記者というものが存在するだけだった。だから、テープ起こしが速記の仲間というのは当然正しい。
結局、テープ起こしは上記のどの要素も持っている。その人が請け負う仕事の傾向によって、どの要素が強めに出るかということなのだろう。
私は入力者でありライターでもある。テープ起こしをするときは、どちらの感覚や知識も動員する。仕事によってどちらを強めに出すかは違うが。
紙の入力は単価が下落しているし仕事量も不安定なため、優秀な入力者がかなりの人数、テープ起こしに転向した。これも統計がないので数字を挙げての証明はできない。私がよく見聞きするというだけの話だ。